日本で知られて来たロシア料理は、宮廷料理を元とする、濃厚でリッチな料理でした。でも、ロシア人が口をそろえて言う『Дома–лучше!(ドーマ リューチシェ)=家が一番!』の言葉の通り、本当においしいロシア料理は家庭の食卓にこそあります。また、ロシアの生活には欠かせない『ダーチャ(農園付き、田舎の別荘)』では、季節の移り変わりをしっかりと感じながら、大地のめぐみをみんなで味わいます。
- 『ピロシキって揚げてないの?』
- 『ビーフストロガノフってビーフシチューじゃないの?』
- 『ボルシチってトマトシチューだと思ってた!』
日本でロシア料理の定番として知られるお料理、実は日本風にアレンジされた洋風料理でした。
日本で知られる揚げピロシキは、アジアに近いごく一部の地域で食べられるもの。モスクワなどで一般的なピロシキは、コッペパンのような素朴なパン生地に、蒸しキャベツ、ジャガイモときのこ、リンゴ…と言った自然の恵みがつまった優しい味です。
また、ビーフストロガノフは、ストロガノフ家の料理人であったフランス人シェフが考案したもので、元々はロシアの家庭料理ではありません。そして、ビーフシチューのように煮込んだものではなく、さっと炒めた赤身の牛肉にサワークリームを加えた手軽な料理です。
日本のお味噌汁にあたる、ロシア料理の王道ボルシチは、本当はウクライナ料理。真っ赤なビーツとたくさんの野菜をじっくり煮込んだ、さっぱりとした体に良いスープ。決してトマトシチューのようなとろみのついた料理ではありません。
こんな誤解をといて、『ロシア料理ってこってりしてそう…』というイメージをとりはらい、『ロシア料理は、大地に根ざしたスローライフから生まれた優しい料理』という本当の姿を知って欲しい…
そんな思いから、ロシア料理教室、モスクワ赴任準備クラス(ロシア語の基礎、生活のアドバイスなど)をやらせていただきます。
中川 亜紀(なかがわ あき)
日露フードオーガナイザー a.k.i. kitchen project 代表
料理教室講師(日本人向けロシア料理教室、およびロシア語話者向け和食教室)
フードコーディネーター、食品管理衛生責任者、ロシア教育科学省認定ロシア語試験ТРКИ(第2段階)
東京都教育委員会委託ロシア語児童の日本語講師およびサポート員として都内の小中学校にて指導
1975年 岡山生まれ 岡山大学英米文学言語文化学科卒業
2009-2012年 夫のロシア駐在に伴い、3人の子供とモスクワに転居、その間に現地ロシア人との交流を通して文化に触れ、特に民族楽器バラライカとロシア料理に親しむ。
帰国後、ジャパン フードビジネスコーディネータースクールにて食のビジネスについて学びながら、吉祥寺カフェロシアにて研鑽を積む。
2013年10月より2016年11月まで、紀尾井町(現在移転して神宮前)COOK COOP BOOKスタジオ(株式会社 カフェカンパニー)にてロシア料理教室講師を務め、日本人向けロシア料理教室、およびロシア人向け和食教室を開催。 その他、都内および大阪・岡山にてロシア、ジョージア(グルジア)、ウズベキスタン、カザフスタン、ウクライナ料理教室を開催。 難しいと言われるロシア人の心に入り込むコミュニケーションと情熱で『食は異なる文化の人々をつなぐ』をテーマに、SNS(Facebook)も含めて日本とロシア(および旧ソ連圏)を食でつなぐ活動を続けている。 その他インバウンド向けサービス、各種メディア(日本およびロシア)で和食とロシア料理の普及活動に励んでいる。